
最近、SOBOKUNI 学芸大学店では、グルテンフリーのお菓子を探してご来店くださるお客様が少しずつ増えてきました。
「ホームページを見て来ました。」「小麦が食べられないので来ました。」「グルテンフリーのお菓子を探していました。」そんなお声をいただく機会が、以前より明らかに増えています。中には、新幹線や飛行機を利用して東京へ来られた際に、わざわざ立ち寄ってくださる方もいらっしゃいます。
私たちは、最初からグルテンフリー専門店を目指してお店を始めたわけではありません。それでも今では、何度も足を運んでくださるお客様や、「ここなら安心して食べられる。」と言ってくださるお客様がたくさんいらっしゃいます。
この記事では、なぜグルテンフリーのお客様が何度もリピートしてくださるのか、私たちが日々感じていることを書いてみたいと思います。
グルテンフリーのお菓子は、「食べられる」ことがゴールになりやすい世界です。

小麦アレルギーの方や、グルテンを控えて生活されている方にとって、お菓子選びは決して簡単ではありません。
旅行先でケーキ屋さんを見つけても、原材料を見て諦めることがある。家族がケーキを食べている横で、自分だけ違うお菓子になることもある。「食べてみたい」と思っても、小麦が使われているだけで選択肢から外れてしまう。そうした毎日を過ごされている方が、本当にたくさんいらっしゃいます。
そのため、グルテンフリーのお菓子は「美味しいものを探す」というより、「食べられるものを探す」という感覚になることが少なくありません。
だからこそ、「食べられるお店が見つかりました。」「これで家族と一緒にケーキが食べられます。」というお言葉をいただくたびに、私たちは嬉しい気持ちと同時に、その選択肢の少なさを改めて考えさせられます。
私たちは、グルテンフリーのお菓子を作ろうと思って始めたわけではありません。

少し意外に思われるかもしれませんが、私たちは最初から「グルテンフリーのお店を作ろう」と考えていたわけではありません。
ただ、福井県産在来種そば粉で、本当に美味しいお菓子を作りたかった。それだけです。
その結果、小麦粉を使わないお菓子になりました。
実は、小麦粉を使わずにお菓子を作ることは、想像以上に難しいことです。小麦粉にはグルテンがあります。グルテンは生地を支え、膨らませ、しっとり感や口当たりを作る、とても重要な役割を持っています。世の中の多くのお菓子が小麦粉を使っているのは、安いからだけではありません。美味しいお菓子を安定して作りやすい、とても優秀な素材だからです。
一方で、そば粉にはグルテンがありません。小麦粉をそのままそば粉へ置き換えただけでは、膨らまない。食感が重たくなる。生地が崩れる。ボソボソになる。普通に作れば、美味しいお菓子にはなりません。
だから私たちは、レシピを一から作り直しました。混ぜ方も、水分量も、卵の扱い方も、焼成温度も、焼成時間も、すべてそば粉専用に考え直しています。ベーキングパウダーにも頼らず、食品添加物も使わず、「どうすれば、そば粉だけで本当に美味しいお菓子になるのか。」その答えを探し続け、何年も試作を繰り返してきました。
だから私たちが最初に考えるのは、「グルテンフリーだから」ではありません。「本当に美味しいかどうか。」です。美味しいお菓子を追い求めた結果として、グルテンフリーになった。それがSOBOKUNIのお菓子です。
「グルテンフリーなのに美味しい。」その言葉を何度もいただきます。

初めてご来店されたお客様から、本当によくいただくお言葉があります。
よくいただくお声
- グルテンフリーとは思えませんでした。
- こんなに美味しいグルテンフリーのお菓子は初めてです。
- 普通のお菓子より好きかもしれません。
- 優しい味なのに、ちゃんと満足感があります。
- この内容でこの価格なら、むしろ安いと思いました。
私たちにとって、本当に嬉しいお言葉です。ただ、その一方で少し複雑な気持ちになることもあります。「グルテンフリーなのに美味しい。」という言葉の裏には、「グルテンフリーのお菓子は、美味しくないもの」「我慢して食べるもの」というイメージがあるのかもしれないと感じるからです。
実際にGoogleの口コミやUber Eatsのレビューでも、「グルテンフリーとは思えない」「感動した」というお声をいただくことがあります。
私たちは、グルテンフリーだから美味しいと言っていただきたいわけではありません。一つのお菓子として美味しいと思っていただき、その結果として「これがグルテンフリーだったなんて驚きました。」と言っていただけることが理想です。だから今でも、新しいお菓子を作る時に最初に考えるのは、「グルテンフリーかどうか」ではなく、「本当に美味しいかどうか」です。
お子さんの笑顔を見て、お母さんも笑顔になっていました。
ある日、小麦アレルギーのお子さんを連れたお客様がご来店くださいました。「この子、小麦が食べられないんです。」そうお話しくださり、いくつかのお菓子を選んでくださいました。
それからしばらくして、そのお客様がもう一度ご来店くださいました。「本当に美味しかったみたいで、『また食べたい。』って何度も言うんです。」「あんなに嬉しそうにケーキを食べている姿を久しぶりに見ました。私も本当に嬉しかったです。」そう笑顔で話してくださったことを、今でもよく覚えています。
私たちは、美味しいお菓子を作りたいと思ってお菓子を作っています。でも、その美味しさが、誰かの「食べられる喜び」につながっていることを、お客様から教えていただきました。お子さんの笑顔を見て、お母さんも笑顔になる。その光景は、どれだけ試作を重ねて新しいお菓子が完成した時よりも、ずっと嬉しい出来事でした。
グルテンフリーの方が、何度もリピートしてくださる理由。
実際にリピートしてくださるお客様のお話を伺っていると、「グルテンフリーだから」という理由だけではありません。「美味しかったから。」「また食べたくなったから。」「家族にも食べてもらいたいと思ったから。」そんな理由で何度も足を運んでくださっています。
私たちが目指しているのも、まさにそこです。「食べられるから買う」のではなく、「また食べたいから買う」。グルテンフリーという理由だけで選ばれるお菓子ではなく、一つのお菓子として美味しいと感じていただき、何度も思い出していただける存在になれたら、それ以上に嬉しいことはありません。
最後に
グルテンフリーだから。小麦を使っていないから。それだけでは、何度も食べたいお菓子にはならないと思っています。
私たちが目指しているのは、制限があるから仕方なく選ぶお菓子ではありません。誰が食べても美味しいと思えること。家族みんなで同じお菓子を囲めること。そして、「また食べたい。」と思い出していただけること。その先にグルテンフリーという価値があれば嬉しいと思っています。
これからもSOBOKUNIは、「グルテンフリーだから美味しい。」ではなく、「美味しかったお菓子が、たまたまグルテンフリーだった。」そんなお菓子を目指して、そば粉のお菓子を作り続けていきたいと思っています。